水木の平日乗り越え電車から五月の風は木蔭模様で
雪の道ほとんど知らないはずなのに不思議とファルコン思い出すんだ
名残惜し月に留まるダンサーは一天のライトの守り人
音の春探しにイヤホン気に入りの新たな靴よりきっと大事
いつの間にやさしい人になったねとやさしく言う人前髪払う
今一つぼんやりしている水曜日水を飲んだら師走の雀
世の代を支えつないで継ぐ子らにそっと小梅のゼリー手渡す
笑われた思いをまた包み直したら私のブルーもそのままだからと
はしゃぐのに必要なのは柔らかな心と友と澄んだ息吹
渚より先に降りゆく天光の焦点絞らずただカメラ置く
不意打ちの入道雲は私へのガイドをする白くまのようで